2017年03月17日
火葬を終えた時に残った銀歯の行方
昨今では、葬儀の簡略化が進み、火葬場から遺骨を持ち帰らない遺族も増えているといいます。でも一般的に見てみると、火葬を終えてから、現地の職員の方にこれが喉仏ですといった話を聞きながら遺骨を集めるていきます。この時に、骨壷に入らなかった細かな遺骨などを残骨灰と読んでいます。基本的に行政が処分することになっていますが、その中には値打ちのあるお宝が隠されていることもあるようです。故人の「金歯」「銀歯」などの有価金属がそれにあたります。
その処理は自治体によって様々なようで、業者が骨から有価金属を回収して売却する自治体もあれば、残骨灰そのものを業者に売却する自治体もあります。東京都のように規模の大きなところでは、収益はかなりの金額にのぼるというデータがあります。収骨後、残骨灰に含まれる貴金属を塊にして、業者に売却することにより何百万もの利益があるというのですから驚きです。国内最大級と呼ばれているところでは、その額は桁も違います。金、銀だけでなくプラチナ、パラジウムなども含まれるようです。
過去に残骨灰の売却益を見込んだ処理業者が行政の業務委託を落札して、「遺灰ビジネス」と批判されたこともあります。そのため、残骨灰の適正な処理をめざす自治体も出てきています。売却を中止している自治体も出現しています。残った骨は、金歯などもご遺体の一部ということでそのまま遺骨と一緒に埋葬しているという自治体もあり、当然のようですが、実際にはこんな対応をしているところは限られているのが現状のようです。遺族感情としては複雑なおもいが交錯する話題と言えるでしょう。